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大手個別指導塾「中萬学院」での違法行為について記者会見を行いました。

 2月21日、ブラックバイトユニオン(個別指導塾ユニオン)は、神奈川県内の大手塾「中萬学院(CGパーソナル)」での働き方について記者会見を行いました。

中萬会見1
中萬会見2

会見の模様はNHK等のメディアで報道されました。
賃金不払い 学習塾に是正勧告

 大学1年生のAさんは、2016年1月から中萬学院が運営する県内の個別指導塾に、アルバイト講師として働き始めました。しかし、そこでの働き方は、法的にいくつかの問題がありました。

■問題点
1. 授業時間(コマ)にしか給料が払われない
 個別指導塾では通常、講師として授業を行うだけでなく、授業時間(コマ)以外にも授業の予習や確認テスト(次回の授業で生徒に解かせる小テスト)の作成等の業務を行っています。Aさんも、コマ数にもよりますが、遅くとも授業の始まる約20分前には出社して、授業の準備をします(「最低でも授業開始10~30分前には入室する」という規定があります)。授業終了後には、確認テスト作成のため20分以上業務に従事しています。ところが、給料は授業時間(コマ)に対してのみ支払われ、授業時間以外に対しては支払われません。
 その結果、Aさんのコマ給単価は1890円/90分となっていましたが、実質の労働時間(出勤から退勤まで)で計算すると支払われる給料は神奈川県の最低賃金を下回っています。

【労働時間の例】(×の時間帯が賃金不払いになっている)
15時25分      出勤
×15時25分-16時40分 予習、授業準備
○16時40分-18時10分 1コマ(小学生理科/小学生国語)
×18時10分-18時20分 生徒休憩(授業準備)
○18時20分-19時50分 2コマ(中学生数学/高校生英語)
×19時50分-20時37分 確認テスト作成、片付け
 20時37分      退勤

 神奈川県の最低賃金は930円で、上記の労働時間の例では5時間12分労働したため最低賃金水準でも4836円支払われるはずですが、実際に支払われるのは時給1260円の授業2コマ分(3時間)とカルテ記入手当200円を合わせた3980円となります。

2. 休憩が法定通り取れていない
 1日6時間以上、あるいは8時間以上の業務に従事する講師もいますが、休憩を取れません。授業間には生徒の休み時間はありますが、その時間にも講師は授業準備や生徒対応があり、実質的には、休憩を取れていません。


■これまでの経緯
 2016年7月12日より、ブラックバイトユニオンは、CGパーソナルを運営する株式会社中萬学院に対して団体交渉を申し入れ、同社における違法な賃金未払い(授業のコマ時間以外に対して一切お給料を支払わないというもの)等の多数の労働基準法違反の改善を求めてきました。
 Aさんは、教育施設である学習塾を運営するこの会社が労働条件を改善し労働法を順守することを希望しているので、過去の未払い賃金の請求だけでなく、今後の適正な賃金の支払いや、法定通りの休憩の付与など労働条件・労働環境の改善を要望しました。
 しかし、中萬学院は団体交渉の場において、「授業時間以外の作業も業務だが(コマ給分でできるはずだから)給料は払わない」と主張し、組合の要望を一切受け入れませんでした。
 川崎北労働基準監督署から是正勧告および指導票が出されると、それに対して会社から是正報告がありましたが、賃金の不払いに対しては労働基準監督署からAさんについて指摘のあった3日間分のみで、他の労働日や従業員に対してはいまだ支払われていません。

■是正勧告の内容
① 「コマ給」のみの支払いで、授業時間以外に対して不払い(労働基準法第24条1項違反)、深夜割増賃金が支払われない(労働基準法第37条違反)
中萬学院が運営するCGパーソナルでは、賃金が「コマ給」で支払われており、授業時間外に対して賃金が支払われていません。授業前の予習や授業の準備時間、授業後の確認テスト作成の時間等について賃金が支払われていません。また、講師は、22時以降にも、確認テスト作成等の業務を行うことがありますが、法定の深夜割増賃金(22時~5時に勤務した場合)が支払われていません。中萬学院は当事者の学生に対して調査を行った3日間について、打刻時間と給与の対象時間のずれについて説明ができませんでした。そのため、賃金の全額が支払われておらず、この点について労働基準法第24条及び第37条への違反が認定されました。

② 労働条件を明示していない(労働基準法第15条違反)
当事者の学生を2015年1月23日に雇用した際、雇用条件通知書を交付していませんでした。この点について労働基準法第15条への違反が認定されました。

③ 三六協定を周知していない(労働基準法第106条違反)
 三六協定を教室内の見やすい場所に掲示する、その内容を労働者に周知するための措置を講じていませんでした。また、溝ノ口教室において労働者の代表が室長になっており、不適切でした。この点について労働基準法106条への違反が認定されました。

④ 適切な三六協定を結ばずに1日8時間以上働かせている(労働基準法第32条違反)
授業は1日に最大6コマあり、すべてのコマで授業を行った場合、授業時間だけでも9時間になります。この点について、労働基準法第32条への違反が認定されました。

■指導事項の内容
⑤ 休憩時間を与えていない
 授業間に生徒の休憩時間はありますが、講師は次の授業準備や生徒対応のため休憩が取れていません。この点について行政指導が入りました。

⑥ IDカードと労働時間のずれ
 講師は入室時と退室時にIDカードを用いて勤怠管理がされていますが、これによる教室の在室時間と給与の対象時間に乖離がありました。この点について、従業員全員に対し、6か月遡り打刻時間と対象時間の乖離を調査し、深夜手当と休業手当についても支払うように行政指導が入りました。


■この事件の背景
 2014年8月にブラックバイトユニオンが発足して以来、既に学生バイトからの相談が2千件に達しています。そのうち、約5百件(全体の4分の1程度)が学習塾で働く学生バイトからの相談であり、その多くが教室内で行われる授業前の準備や授業後の報告・会議等に対して賃金が支払われないという「コマ給」の問題にかかわるものです。
 また、一昨年3月27日には、厚生労働省も学習塾業界に対し、「学習塾の講師に係る労働時間の適正な把握、賃金の適正な支払等について」という通達を出して、改善指導を行っています。実際、これまでに明光義塾や湘南ゼミナールといった大手学習塾に対して労働基準監督署から是正勧告が出されています。
 そうした中、今回アルバイト講師としてAさんが、違法な「コマ給」の改善を求めて労働基準監督署に申告したところ、中萬学院での学生アルバイト講師にかかわる労働基準法違反が明らかになりました。
 同じような働き方の悩みを抱えている学生の方は多いと思いますが、今回の労基署の判断はそうした学生に声を上げる勇気を与えるものでしょう。

■Aさんのコメント(記者会見より)
 公的な機関(労基署)から違法だと認定が出ているのに、対応してもらえないのは残念。学習塾というのは子どもを相手にする会社なので、従業員の学生に対しても誠実に対応してほしい。
 私も昨年湘南ゼミナールで大学生の方が団体交渉を行なっているという記事をインターネット見てそれをきっかけに、中萬学院に対しても改善をできるかもしれないと思い、今回の活動を始めました。
 学生が団体交渉をしたり労働基準監督署に申し入れに行ったりすることは少ないと思います。けれども、塾業界以外でも働き方でおかしいと思ったら、労働組合に相談するなり、労働基準監督署に違法行為があると申告するなり行動をしていけば、自分の働く環境を変えられると思います。

■連絡先
個別指導塾ユニオン(ブラックバイトユニオン)
〒155-0031 東京都世田谷区北沢4-17-15 ローゼンハイム下北沢201号室
メールアドレス: info@kobetsu-union.com
電話番号: 03-6804-7245
FAX番号: 03-6804-7247
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個別指導塾ユニオンは、学生アルバイトの塾講師を中心に、個別指導塾における労働条件の改善に取り組む労働組合(ユニオン)です。
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TEL:03-6804-7245
MAIL:info@kobetsu-union.com
WEB:http://kobetsu-union.com

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